今回のブログは仲のうえんが書きます。
カメラというものを持たなくなって一年が過ぎましたが、
一昨日から昨日にかけてあったイベントについて無写真でお伝えしましょう。
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今回の企画は「村に来てもらおう」という主旨で、
東京の学生・農業にアツい社会人を招き、炭焼き、農家の手伝いをしながら仲よくなるというもの。
農大・農工大・金融関係の方・流通関係の方など多様な参加者。この中には「いつか農業をやりたい」と思う人もいるため、私の就農予定地である宝篋山を案内した。(案内というよりは、一緒に農業やろうと勧誘ばっかりしていた)
宝篋山の山は夏の勢いを保ちつつ秋の気配を感じさせる色合いに変わってきていて、いつもとかわらないきれいな小川が流れ、いつもと変わらなく冷たく綺麗な湧き水が溢れ、いつもと変わらない宝篋山の地元の人々(五月女さん)がいた。
「ここが俺の就農予定地。向こう側は拓けば農業やらせてくれるんだ。」と私が指を指しながら説明するも、畑を借りられる範囲が広すぎて私自身把握しきれていないのだ。
宝篋山は農業をやるには最高の場所。
まず何より、農薬を使わないことに地元の人も賛同しているから、水も環境も最高にがきれい。
それに、土地がまとまっていて作業が非常に効率的だし、野菜を洗う水は綺麗な小川があるし、小川のすぐ横に小屋だってあるから、出荷作業とかできる場所もある。
トラクターとかユンボとか貸してくれるから、初期投資に莫大な金を使わずに済む。
こんなことを言ってメリットを言ったりするが、
いのしし対策が必要で、そこが他の農業地域とは違うことなんだという点も、いのししに食い荒らされてきれいになった水田を横目に見ながら説明した。
いのししと対峙しながらも、多種多様な果実と、きのこ原木、自給用野菜、採卵兼食肉用の鶏がすぐ手に入るような場所。鮮度という視点で見れば(いのししも含め)間違いなく最高な食の楽園。
文章で、電話越しで宝篋山の魅力を伝えることよりも、実際に空気を感じたほうが、宝篋山の良さをわかってもらえたんじゃないかな。
結局2~3時間宝篋山で採れた野菜をいただいたりして、それから、国谷さんのところへ移動した。
私も国谷さんに会って話をしたのは始めてだったけど、国谷さんは私の想像以上に歳を重ねていて、体力も衰えている様子であった。90歳近くなっているので、杖がなくては移動も困難と思わせるようにゆっくり、ふらふらしながら歩いているが、言葉や考えは相当しっかりしている。国谷さんは「学生(若い人)がこれからの社会を創って、頑張っていくんだよ」と、ぼそっといっていたところや、一人一人の名前を覚えてくれようとするところに、元教師として第一線で教育をしていた国谷さんのほとばしるアツいパトスを感じた。
そんな国谷さんの敷地でバーベキューをさせてもらうことになり、国谷さんの弓道場で宿泊させてもらうことになっていたが、イベントというものはハプニングがつきものだ。
カレーと、さばと、たくさんのホルモンと少しのお酒を買っていって、夕食の準備が始まった。
夜になると、土浦花火大会が始まった。国谷さんちから見える花火は小さくともきれいだった。もっとも、みんなおしゃべりと夕食に夢中で、花火を見ることを忘れていた。花より団子。
今回の企画は農大の田島さん(4年)に声を掛けた。田島さんは強力な農業ネットワークを持っているため、すぐに参加希望者が増えていった。多くの農業系学生サークルに所属し、自ら農業を学ぶ姿勢をもって積極的に援農し、まずは社会人経験を経た後に、数年後は農家になるという夢を持つスーパーウーマン。仲のうえんは農業やるならここ(宝篋山)でやろうと声をかけていて、田島さん本人としても農業をやるつもりである。
○スーパーウーマンから誘われて来た農大の榊さん(4年)は、就活をせず、千葉で農業をはじめたいと思っている。そのためにWWOOFや援農を通じて勉強し、どういう農業をやるかということを模索しているようだった。農業という厳しい世界に入る際には、自分自身のセーフティネットとして榊さんのように資格(技能)を持っておくのは大切なのかもしれない。半農半Xであっても、重要な地域を担う存在だ。今後どうなっていくか楽しみだった。
○スーパーウーマンから「農業をやりたいと言う学生がいる」という報告を受け、是非来て欲しいと思っていた人は農大の森さん(3年)だ。農業を仕事を選ぶ上での選択肢の中の一つと位置づけているような感じで、まだ田島さんほど農業農業していないように見えた。話してみると、「卒業したらすぐに青年海外」協力隊員になる」とのこと。色々経験したあとに、農業がやりたいというモチベーションになったら、宝篋山に来てみてくださいと念を押した。
○スーパーウーマン田島以上の、ウルトラウーマンになる原石を持つ農工大の藤原さん(2年)も今回のイベントに参加。藤原さんと初めて会ったときは衝撃だった。「私は研究者になるか、農家の嫁になりたい」という対立軸に近い希望を語っていたのだから。現在はとにかく動き回り、農業を盛り上げている。
大学生はこんな感じだ。今後が楽しみだな。
藤原創長はずーっと私たち学生と社会人グループが来る前から国谷さんの炭焼き釜で火の番をしていて、番をしながら御輿で使う鳳凰を彫り、夕飯時には秋刀魚やホルモンを焼き、みんなと喋りながら酒を飲んでいた。
周りは暗く裸電球一個だけで、外も寒くなっているのに気付かずに農業(創長はみこし)の想いを伝え合っていた。
これからの予定としては、五右衛門風呂を沸かして、順々に風呂に入って、語らいながら眠りにつくというものであったが、予定ってのはうまくいくとは限らない。
初五右衛門風呂体験に一同は火加減に戸惑い、結局大半が足湯で済ませて、布団で寝られたのは女性人のみ。車で寝る人もいたが、私と創長、藤原さんと宮坂さんは火の番をしていたが・・・
「ホー。ホー。」
静寂な山にふくろうの声。
ネズミ捕りに最高だな、と談笑。
「ガサガサ」
・・・、ん?
これは来たな、ついにいのししか。
体重の重いいのししが突進してきて怖いのは、いのししの牙だ。
創長は手に鉈を、私はシャベルを、宮坂アニキは木槌をもち、ウルトラウーマン藤原に危害が及ばないように身を構える。
・・・
いのししは姿を現さなかった。
果たして突進してきたら勝てるのだろうか。
それからジャガイモ、ナスを、バナナを焼いて食べたりして、
時間はAM4:00になり、国谷さんがよろよろしながら出てきた。
「そろそろ、煙は消えたか?」
炭焼は煙(水蒸気)が消えたら、土をかぶせて密封させるものらしい。
まだ煙は出続けている。
AM7:00まで様子を見ることになった。
10月と雖も寒い。火にあたりながらずっと喋り続けてきたが、眠気に襲われ、4人はその場に横たわる・・・
寒さで目覚めた私が目にしたものは、気を失い睡眠状態にありつつも鉈で鳳凰を彫り続ける宮坂アニキと、寒さでぶるぶる震えながら睡眠を続ける創長。ウルトラ藤原は部屋で寝ていたらしい。
体力を最高に奪われた私たちは色々食べたばかりなのに究極に腹が減っていて、朝起きたてにカレーを食べ、2時間後に具沢山味噌汁と米とさんまをたいらげ、また睡魔に襲われる・・・。
しかし、こんなに楽しい空間を自由に使わせてくれた国谷さんのお手伝いもしなくちゃいけん!
参加者は誰も摘果に関して詳しくなかったので、木に登り、本能を頼りにみかんの摘果をする。
大量のみかんが落ち、中には摘果したみかんを投げつけ始めるやつもいて、最後にはみかんを持って帰り、とても楽しい摘果だった。
結局炭焼きは煙が出続けたために途中で断念して創長に任せる。
創長、すまんな!しかし大変楽しい経験ができた!
イベントとしてはものすごいゆるーい企画だったけど、結局は楽しい企画になったのかな。
これからも農業を真剣に考える場所として、宝篋山や国谷さんのところを使わせてもらいたいと思いました。
宝篋山に来たい人は、連絡くださいねー!
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- 2010/10/04(月) 11:22:18|
- 先駆村
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| コメント:3
ものすげえ夜だった!またこんな伝説を創りまくろう!都会じゃこんなん味わえねえぜ。俺らは現代社会を先駆けてるからな!
- 2010/10/05(火) 09:01:17 |
- URL |
- 創長 #-
- [ 編集 ]
先週の炭焼きイベント、本当に楽しかったです!
相変わらず、仲のうえんさんの書くブログは臨場感あふれていておもしろいですね☆
1人で笑っちゃいましたよー( ´ ▽ ` )ノ
そしていつのまに、ウルトラウーマンの原石に!?
これからせっせと磨いていきやす!
イベントの思い出といったら、見えないイノシシとの戦いはもちろん、スーパーウーマン田島さんに【山の幸をとり隊】と命名され、炭焼き窯の奥を探検したり、花火の音を聞きながらにんじんなしカ
レーを作ったり…
なかでもやっぱり、大切な鳳凰をちょいと彫らせてもらえたのが一番貴重な体験でした!
創長、ありがとうございました( ̄^ ̄)ゞ
学祭も始まり、とうとうあさってがお披露目ですね!
あぁ!
見たい!
果たして行けるのか…(; ̄ェ ̄)
- 2010/10/09(土) 23:57:12 |
- URL |
- うるとらうーまん #-
- [ 編集 ]
一泊二日、都会じゃ味わえない空気を吸ったおかげか、帰宅後頭痛に悩まされ(笑)
一緒に行った子たちが楽しめて本当によかったです!
猪との戦い、体験してみたかったですね^^
炭焼き最後までできなくて残念でした…5日もかかるんですね。
総長、仲のうえんさん、ほんとにありがとうございました!
T.マハルこと、田島でした~
- 2010/10/17(日) 18:54:14 |
- URL |
- スーパーウーマン? #-
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